コンプレッサーのカタログや圧力ゲージには、MPa、bar、psi、kgf/cm²といった複数の圧力単位が使われています。国やメーカーによって表記が異なるため、「自分のコンプレッサーの0.8MPaは何psiなのか」「海外製エアツールの90psiは何MPaか」と戸惑うことがあります。
この記事では、コンプレッサーで使用される主要な圧力単位の意味と読み方、相互の換算方法、そして換算表をまとめます。
圧力とは何か
圧力とは、単位面積あたりにかかる力のことです。コンプレッサーの文脈では、タンク内に蓄えられた圧縮空気が容器壁面に及ぼす力を指します。圧力が高いほど、エアツールを強い力で駆動できます。
コンプレッサーの圧力計(ゲージ)が表示する圧力は「ゲージ圧」と呼ばれ、大気圧をゼロとした相対的な値です。大気圧を加えた「絶対圧」とは異なりますので、計算や換算の際にはゲージ圧同士で比較してください。
主要な圧力単位の意味と読み方
MPa(メガパスカル)
国際単位系(SI単位)に基づく圧力の単位です。「メガパスカル」と読みます。1MPa = 1,000,000Pa(パスカル)です。日本国内のコンプレッサーカタログでは、この単位が最も一般的に使用されています。業務用コンプレッサーの最高使用圧力は0.8〜1.0MPa程度が標準です。
bar(バール)
「バール」と読みます。ヨーロッパ製のコンプレッサーやエアツールで広く使われている単位です。1bar = 0.1MPaという関係にあるため、MPaとの換算が非常に簡単です。8barは0.8MPa、10barは1.0MPaです。
psi(ピーエスアイ)
「ピーエスアイ」と読みます。「Pound per Square Inch」(1平方インチあたりのポンド数)の略で、アメリカ・イギリスなど英語圏で使用されるヤード・ポンド法の圧力単位です。アメリカ製のコンプレッサーやエアツールのカタログに記載されています。1psi = 約0.00689MPaです。
kgf/cm²(キログラムフォース毎平方センチメートル)
「キロ」「キロフォース」と略されることが多い単位です。日本の旧規格で使われていた単位で、古い圧力計やカタログに記載されています。1kgf/cm² = 約0.0981MPaです。現在はSI単位(MPa)への移行が進んでいますが、現場では依然として「何キロ」という表現が使われます。「7キロ」と言えば7kgf/cm²を意味し、約0.69MPa(約100psi)に相当します。
圧力単位の換算
主要な単位間の換算関係は以下の通りです。
1 MPa = 10 bar = 約145 psi = 約10.2 kgf/cm²
1 bar = 0.1 MPa = 約14.5 psi = 約1.02 kgf/cm²
1 psi = 約0.00689 MPa = 約0.0689 bar = 約0.0703 kgf/cm²
1 kgf/cm² = 約0.0981 MPa = 約0.981 bar = 約14.2 psi
コンプレッサーでよく使う圧力の換算早見表
以下に、コンプレッサーやエアツールで頻繁に登場する圧力値の換算を示します。
0.2 MPa = 2 bar = 約29 psi = 約2.0 kgf/cm²(塗装用スプレーガンの低圧設定)
0.3 MPa = 3 bar = 約44 psi = 約3.1 kgf/cm²(エアブラシ、エアダスター)
0.4 MPa = 4 bar = 約58 psi = 約4.1 kgf/cm²(HVLP塗装ガン、サンドブラスト低圧)
0.5 MPa = 5 bar = 約73 psi = 約5.1 kgf/cm²(釘打機、一般的なエアツール)
0.6 MPa = 6 bar = 約87 psi = 約6.1 kgf/cm²(インパクトレンチ、サンドブラスト)
0.7 MPa = 7 bar = 約102 psi = 約7.1 kgf/cm²(インパクトレンチ高負荷、トラックタイヤ充填)
0.8 MPa = 8 bar = 約116 psi = 約8.2 kgf/cm²(コンプレッサーの一般的な最高使用圧力)
1.0 MPa = 10 bar = 約145 psi = 約10.2 kgf/cm²(高圧仕様のコンプレッサー)
圧力計(ゲージ)の読み方
コンプレッサーに搭載されている圧力計は通常2種類あります。タンク圧力計(タンク内の圧力を表示)と、レギュレーター出口圧力計(エアツールに供給する圧力を表示)です。
タンク圧力計はコンプレッサーの充填状態を示します。モーターが停止するのは、タンク圧力が設定圧力(通常0.8MPa前後)に達した時点です。モーターが再起動するのは、タンク圧力が設定圧力から約0.2MPa下がった時点(約0.6MPa)が一般的です。
レギュレーター出口圧力計は、実際にエアツールに供給される圧力を示します。レギュレーターのつまみを回すことで、タンク圧力以下の任意の圧力に調整できます。レギュレーターはタンク圧力を超える圧力は出せないため、レギュレーター出口圧力は常にタンク圧力以下です。
海外製エアツールを使う場合の注意点
海外製エアツールのカタログに「Operating Pressure: 90 psi」と記載されている場合、これは約0.62MPa(約6.2bar)に相当します。日本国内のコンプレッサー(最高使用圧力0.8MPa程度)であれば、レギュレーターで0.62MPaに調整すれば問題なく使用できます。ただし、アメリカ製の一部の大型エアツールは125〜150psi(0.86〜1.03MPa)を要求するものがあり、0.8MPa仕様のコンプレッサーでは対応できない場合があります。購入前にエアツールの要求圧力を確認してください。
エアセルフのコンプレッサーの圧力仕様
エアセルフの三相200Vモデルはいずれも最高使用圧力0.8MPa(8bar / 約116psi)以上を確保しています。三相200V80L 静音オイルレス、三相200V140L 静音オイルレス、三相200V 300L オイル式 ベルトドライブのいずれも、国内で流通するほぼすべてのエアツールの要求圧力に対応しています。
よくある質問
Q. 「何キロ」という表現はどの単位を指していますか?
A. 現場で「何キロ」と言う場合は、ほぼkgf/cm²を指しています。「7キロ」は7kgf/cm²(約0.69MPa、約100psi)です。ただし、MPaの値を「キロ」と呼ぶケースもまれにあるため、文脈で判断する必要があります。正確なコミュニケーションには単位を明示することを推奨します。
Q. 圧力計がkgf/cm²表記の古いタイプですが問題ありませんか?
A. 計測機能に問題がなければそのまま使用できます。kgf/cm²の値に0.0981を掛ければMPaに換算できます。たとえば圧力計が「8」を示していれば、8 × 0.0981 = 約0.78MPaです。ただし、古い圧力計は精度が低下している可能性があるため、定期的に校正済みの圧力計と比較して誤差を確認してください。
Q. タイヤの空気圧で使われるkPaとMPaの関係は?
A. 1MPa = 1,000kPaです。乗用車のタイヤの適正空気圧は220〜250kPa(0.22〜0.25MPa)が一般的です。コンプレッサーの圧力計がMPa表示の場合、タイヤの空気を入れる際はレギュレーターを0.22〜0.25MPa程度に設定してください。
※本記事の内容は2026年5月時点の一般的な情報をまとめたものです。法令・税制・補助金制度・各種規格は変更される場合があるため、最新の情報や個別の判断については、所轄官庁・税理士・専門家・メーカー等の公式情報をご確認ください。記事内のスペック・数値は目安であり、エアセルフ製品の正確な仕様は商品ページまたはお問い合わせをご利用ください。
