真空エジェクタ(吸着)に必要なコンプレッサー|空気消費量の目安と、吸着し続ける使い方の注意点
この記事の結論
- 結論
- 真空エジェクタは、0.35〜0.5MPaほどの圧縮空気を流して真空をつくる。ノズル径1.0mmクラスで、空気消費量はおよそ40〜60L/min(ANR)
- 吸着している間はずっと空気を吹き続けるので、必要な空気量は「1台あたりの消費量×同時に動く台数」。長時間の吸着では、コンプレッサーの連続運転の能力が大事になる
- 真空になったら給気を止める省エネ機能付きのエジェクタなら、空気消費量を大きく減らせる(SMCは93%削減とうたう)
- 誰のためのページか
- 工場や作業場で、真空エジェクタ(真空発生器)を使って部品やワークを吸着したく、必要なコンプレッサーを選びたい人
- このページの目的
- 真空エジェクタの空気消費量をメーカーの公表値で確かめ、台数と運転時間から必要なコンプレッサーを決められるようにすること
- 書き手の立場
- 元エアコンプレッサーの開発・プロデュースに携わっていた運営者が、その専門知見をもとに、特定メーカーに偏らない事実重視のメディアの立場で執筆・監修しています。 運営者情報
- 情報の出どころ
- 価格・評価は楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングの公式APIから取得し自動更新。スペックはメーカー公表値と販売ページの表記をもとに整理。最終更新 2026/11/07
真空エジェクタ(真空発生器)は、圧縮空気を細いノズルから勢いよく流して、その横に真空をつくる部品です。電動の真空ポンプが無くても、コンプレッサーの空気だけで部品やワークを吸着できます。その代わり、吸着している間はずっと空気を使います。この記事では、SMCとコガネイの公表値をもとに、エジェクタに合うコンプレッサーの選び方をまとめます。
結論
- 圧力:標準の供給圧力は0.35〜0.5MPaほど(機種ごとに指定があります)
- 空気の量:ノズル径1.0mmクラスで約40〜60L/min(ANR)。台数分を足します
- 長時間の吸着:空気を吹き続けるので、連続運転に耐えるコンプレッサーを選ぶか、省エネ機能付きのエジェクタにします
エジェクタの公表値
| 機種 | 供給圧力 | 空気消費量(ANR) | 到達真空度 |
|---|---|---|---|
| SMC ZBシリーズ(小型) | 記載なし | 3.5/6.5/10/18L/min(ノズル径0.3〜0.6mm) | 記載なし |
| SMC ZMシリーズ | 記載なし | 17/33/60/85/110L/min(ノズル径0.5/0.7/1.0/1.3/1.5mm) | −84kPa |
| SMC ZK2シリーズ(真空ユニット) | 標準0.35MPa(ノズル径1.5mmは0.4MPa)、使用範囲0.3〜0.6MPa | 24/40/58/90L/min(ノズル径0.7/1.0/1.2/1.5mm、標準供給圧力時) | −91kPa |
| コガネイ マイクロエジェクタ ME12/ME25/ME60 | 使用範囲0.1〜0.6MPa(表の値は0.5MPa時) | 23/46/107L/min | −92kPa |
出典:SMC・コガネイの製品ページ・取扱説明書(本文末尾)。ANRは、標準の状態(大気圧)に直した空気の量です。
必要なコンプレッサーの決め方
1. 空気量=1台の消費量×同時に動く台数
エジェクタは吸着している間ずっと空気を使います。たとえばノズル径1.0mmのZK2(40L/min)を3台同時に使うなら、40×3=120L/minです(台数は例です)。アネスト岩田は、実際に使う空気量より1割以上の余裕を持つよう案内しているので、この例では約132L/min以上(120×1.1)が目安になります。
2. 圧力は配管の先で確保する
エジェクタの性能は、ノズルに届く圧力で決まります。標準供給圧力(0.35〜0.5MPaほど)が、配管やホースの先で確保できるようにします。ホースが細く長いと圧力が下がるので、コンプレッサーの圧力には余裕を持たせます。
3. 長時間吸着し続けるなら、連続運転の能力を見る
何時間も吸着し続ける使い方では、コンプレッサーが動き続けることになります。小型のオイルレス機には、続けて運転できる時間(定格時間)が決められている機種が多いので、仕様の定格時間や使用率を確かめてください。長時間・大量に使うなら、業務用の連続運転できる機種が候補になります。
4. 省エネ機能付きのエジェクタで空気を減らす
SMCは、エジェクタは作動時の空気消費量が多いとしたうえで、真空に達したら給気を止める機能で空気消費量を93%削減できるとしています(同社の測定条件による)。吸着している時間が長い使い方ほど、効果が大きくなります。
電動の真空ポンプとどちらがよいか
エジェクタは、コンプレッサーの空気さえあれば小さく軽く使えるのが利点です。一方で、吸着している間ずっと空気を使います。電動の真空ポンプとエジェクタの電気代を数字で比べたメーカーの公開資料は、当サイトが調べた範囲では見つかりませんでした。長時間吸着し続ける用途では、エジェクタを増やす前に、電動の真空ポンプも比べることをおすすめします。
条件に合うコンプレッサー(当サイトのデータベースから)
当サイトに登録している機種から、吐出空気量の条件で自動で並べています。吐出空気量の測り方はメーカーによって違うことがあります。
吐出空気量60L/min以上の100V機(小型のエジェクタ1台向け)
HAIGE HG-1300RB-30 30L
- 釘打ち・インパクトレンチなどの断続作業
- 家庭のコンセントでの使用
- 不向き:連続使用の塗装(スプレーガン)には吐出空気量が不足しやすい
HAIGE HG-DC880N1
- 家庭のコンセントでの使用
- 持ち運び(7.7kg)
- 不向き:連続使用の塗装(スプレーガン)には吐出空気量が不足しやすい
HAIGE HG-DC882 5L
- タイヤの空気補充・ブロー・エアブラシ
- 家庭のコンセントでの使用
- 不向き:連続使用の塗装(スプレーガン)には吐出空気量が不足しやすい
HAIGE HG-DC991AL 36L
- 小型スプレーガンでの塗装
- 釘打ち・インパクトレンチなどの断続作業
- 不向き:住宅地での夜間使用(騒音80dB)
HAIGE HG-DC880N1T 17L
- 家庭のコンセントでの使用
- 持ち運び(15kg)
- 不向き:連続使用の塗装(スプレーガン)には吐出空気量が不足しやすい
三相200Vの機種(複数台・長時間の吸着向け)
明治機械製作所 APK-110D
- 小型スプレーガンでの塗装
- 車体塗装やサンダーなど連続作業
- 不向き:200V電源のない家庭での使用
アネスト岩田 TLP75EG-10
- 小型スプレーガンでの塗装
- 車体塗装やサンダーなど連続作業
- 不向き:200V電源のない家庭での使用
明治機械製作所 GK-75D
- 小型スプレーガンでの塗装
- 車体塗装やサンダーなど連続作業
- 不向き:住宅地での夜間使用(騒音76dB)
明治機械製作所 APKM-75A-6P
- 小型スプレーガンでの塗装
- 車体塗装やサンダーなど連続作業
- 不向き:200V電源のない家庭での使用
アネスト岩田 TLP55EG-10
- 小型スプレーガンでの塗装
- 車体塗装やサンダーなど連続作業
- 不向き:200V電源のない家庭での使用
まとめ
真空エジェクタは、0.35〜0.5MPaほどの圧縮空気で真空をつくり、ノズル径1.0mmクラスで約40〜60L/minの空気を使います。必要なコンプレッサーは、1台の消費量×同時に動く台数に1割以上の余裕を足して決めます。長時間吸着し続けるなら、コンプレッサーの連続運転の能力を確かめ、真空到達で給気を止める省エネ機能付きのエジェクタも検討してください。
ほかの作業・機械に必要なコンプレッサーは、作業・機械別 コンプレッサーの選び方にまとめています。
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よくある質問
真空エジェクタにはどれくらいのコンプレッサーが必要ですか?
1台の空気消費量×同時に動く台数に、1割以上の余裕を足して決めます。ノズル径1.0mmクラスなら1台あたり約40〜60L/min(ANR)です(SMC ZK2・ZMの公表値)。
何時間も吸着し続けても大丈夫ですか?
エジェクタは吸着中ずっと空気を使うので、コンプレッサーが動き続けます。コンプレッサーの定格時間(続けて運転できる時間)を確かめ、長時間なら業務用の連続運転できる機種を選ぶか、省エネ機能付きのエジェクタを使ってください。
エジェクタと電動の真空ポンプはどちらが安いですか?
電気代を数字で比べたメーカーの公開資料は見つかりませんでした。エジェクタは小さく手軽ですが、吸着中ずっと空気を使います。長時間の用途では電動の真空ポンプも比べることをおすすめします。









