解体工事・はつりのエアーブレーカーに必要なコンプレッサー|空気消費量と、エンジンコンプレッサーの吐出量の組み合わせ方
この記事の結論
- 結論
- エアーブレーカー・ブレーカーピックの空気消費量は1台およそ1.0〜1.65m³/min(東空販売・古河ロックドリル)。家庭用・作業用の100V機では足りず、可搬式のエンジンコンプレッサーを使う
- 東空販売は、コンプレッサーの吐出量を同時に使う工具の空気消費量の合計より大きく、できれば2割多くするよう求めている。たとえばTCB-200(1.5m³/min)1台なら1.8m³/min以上で、AIRMAN PDS80S(2.3m³/min)が候補になる(当サイトの計算)
- 屋内のはつり作業場は「著しい騒音を発する屋内作業場」に当たり、たまった粉じんは原則として真空掃除機や水洗いで清掃する。解体の前には石綿の事前調査が必要
- 誰のためのページか
- 解体工事・はつり・コンクリートの破砕で、エアーブレーカーやピックに合うコンプレッサーを選びたい・レンタルしたい人
- このページの目的
- ブレーカーの空気消費量とエンジンコンプレッサーの吐出量から、台数に合う組み合わせを決め、粉じん・騒音・振動・石綿の決まりを確かめられるようにすること
- 書き手の立場
- 元エアコンプレッサーの開発・プロデュースに携わっていた運営者が、その専門知見をもとに、特定メーカーに偏らない事実重視のメディアの立場で執筆・監修しています。 運営者情報
- 情報の出どころ
- 価格・評価は楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングの公式APIから取得し自動更新。スペックはメーカー公表値と販売ページの表記をもとに整理。最終更新 2026/11/07
解体工事やはつりでは、エアーブレーカーやブレーカーピック、チッパーなどの空気で動く工具で、コンクリートを割ったり削ったりします。これらの工具は1台で大量の空気を使うため、可搬式のエンジンコンプレッサーと組み合わせるのが一般的です。解体作業でエアツールを2本使いたい、という相談は、販売の現場でも受けることがあります。この記事では、メーカーとレンタル会社のカタログをもとに、組み合わせ方と決まりをまとめます。
結論
- 空気消費量:ブレーカー・ピックは1台およそ1.0〜1.65m³/minです
- 組み合わせ:吐出量は、同時に使う工具の合計より大きく、できれば2割多くします(東空販売)
- 決まり:粉じん・騒音・振動・石綿の決まりがあります
エアーブレーカー・ピックの空気消費量
| 機種 | 種類 | 空気消費量 | 質量 |
|---|---|---|---|
| 東空販売 TCA-7 | ブレーカーピック | 1.0m³/min | 7.2kg |
| 東空販売 TCB-130B | ブレーカー | 1.05m³/min | 15kg |
| 東空販売 TCB-200 | ブレーカー | 1.5m³/min | 21.2kg |
| 東空販売 TCB-300 | ブレーカー | 1.6m³/min | 30kg |
| 古河ロックドリル FCB20-Ⅱ | ブレーカー | 1.65m³/min | カタログ参照 |
出典:レンタルのニッケン、HSKレンタルのカタログ。東空販売のカタログは、エアツールは動圧5〜7kg/cm²(約0.49〜0.69MPa)で使う設計としています。1m³/minは1,000L/minで、100Vの小型コンプレッサー(吐出100L/min前後まで)の10倍ほどです。
エンジンコンプレッサーの吐出空気量
| 機種(北越工業 AIRMAN) | 吐出空気量 | 吐出圧力 | 運転整備質量 |
|---|---|---|---|
| PDS80S-5C5 | 2.3m³/min | 0.7MPa | 435kg |
| PDS100S-5C5 | 2.8m³/min | 0.7MPa | 500kg |
| PDS130S-5C3 | 3.7m³/min | 0.69MPa | 720kg |
| PDS185S-5C5 | 5.2m³/min | 0.7MPa | 850kg |
| PDS265S-5C3 | 7.5m³/min | 0.69MPa | 1,290kg |
出典:北越工業(AIRMAN)標準PDSシリーズ。デンヨーのDIS-130ES・DIS-130LBは吐出量3.7m³/min、DAS-180LBEは5.1m³/minです(国土交通省 排出ガス対策型建設機械の一覧)。
組み合わせ方
東空販売は、コンプレッサーの吐出量を、同時に使う工具の空気消費量の合計より大きくし、配管での漏れや圧力の低下を見込んで、できれば20%多くするよう求めています。この決まりを当てはめると、次のようになります(当サイトの計算で、メーカーの推奨の組み合わせではありません)。
| 使い方 | 必要な吐出量(合計×1.2) | 候補(AIRMAN) |
|---|---|---|
| TCB-200を1台 | 1.5×1.2=1.8m³/min | PDS80S(2.3m³/min) |
| TCB-200を2台 | 3.0×1.2=3.6m³/min | PDS130S(3.7m³/min) |
| TCA-7を2台 | 2.0×1.2=2.4m³/min | PDS100S(2.8m³/min) |
ホースが長い、継手が多い現場では、さらに余裕を見てください。
守るべき決まり
粉じん(粉じん障害防止規則)
- 屋内の粉じん作業場では、たまった粉じんを毎月1回以上、真空掃除機を使うか水洗いするなど、粉じんが飛び散らない方法で清掃します(第24条)。エアーで吹き飛ばす掃除は、この「飛び散らない方法」に当たりません。飛び散らない方法が難しいときは、有効な呼吸用保護具を使わせることで他の方法も認められています
- 厚生労働省の第10次粉じん障害防止総合対策(令和5〜9年度)は、呼吸用保護具の使用の徹底と、作業場ごとの粉じん保護具着用管理責任者の選任を求めています
騒音
- はつり機など圧縮空気で動く機械を扱う屋内作業場は、「著しい騒音を発する屋内作業場」に当たり(労働安全衛生規則 第588条)、6月以内ごとに騒音を測ります(第590条)。強烈な騒音の業務には耳栓などの保護具を備えます(第595条)
- 騒音規制法では、さく岩機を使う作業などが特定建設作業に当たり、指定地域の中では作業開始の7日前までに市町村長への届出が必要です(第14条)
振動
厚生労働省の振動障害予防対策指針は、コンクリートブレーカーやピックハンマーを対象に、日振動ばく露対策値2.5m/s²、限界値5.0m/s²を示しています。カタログの振動値(例:TCB-200は10m/s²)を見て、作業時間を管理します。
石綿
建築物などの解体・改修の前には、石綿が使われているかの事前調査が必要です(石綿障害予防規則 第3条)。
ブレーカーを使わない研磨・清掃なら
ブレーカーやピックを使わない、エアーツールでの研磨や清掃なら、業務用の電動コンプレッサーも候補です。当サイトに登録している三相200Vの機種を、吐出空気量の大きい順に並べています。ブレーカーには吐出量が足りないので、上の表で確かめてください。
明治機械製作所 APK-110D
- 小型スプレーガンでの塗装
- 車体塗装やサンダーなど連続作業
- 不向き:200V電源のない家庭での使用
アネスト岩田 TLP75EG-10
- 小型スプレーガンでの塗装
- 車体塗装やサンダーなど連続作業
- 不向き:200V電源のない家庭での使用
明治機械製作所 GK-75D
- 小型スプレーガンでの塗装
- 車体塗装やサンダーなど連続作業
- 不向き:住宅地での夜間使用(騒音76dB)
明治機械製作所 APKM-75A-6P
- 小型スプレーガンでの塗装
- 車体塗装やサンダーなど連続作業
- 不向き:200V電源のない家庭での使用
アネスト岩田 TLP55EG-10
- 小型スプレーガンでの塗装
- 車体塗装やサンダーなど連続作業
- 不向き:200V電源のない家庭での使用
まとめ
エアーブレーカー・ピックは1台およそ1.0〜1.65m³/minの空気を使い、可搬式のエンジンコンプレッサーと組み合わせます。吐出量は、同時に使う工具の合計より大きく、できれば2割多くします。屋内のはつりは騒音の測定や保護具、たまった粉じんは真空掃除機や水洗いでの清掃、解体の前には石綿の事前調査が必要です。
ほかの作業・機械に必要なコンプレッサーは、作業・機械別 コンプレッサーの選び方にまとめています。
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吐出空気量・タンク容量・電源の決め方と、用途ごとの目安を1冊にまとめたPDFです。メールアドレスを登録すると、すぐにご覧いただけます。
よくある質問
エアーブレーカーにはどれくらいのコンプレッサーが必要ですか?
ブレーカーは1台およそ1.0〜1.65m³/minの空気を使います。東空販売は、吐出量を同時に使う工具の合計より大きく、できれば2割多くするよう求めています。TCB-200(1.5m³/min)1台なら1.8m³/min以上で、AIRMAN PDS80S(2.3m³/min)が候補です(当サイトの計算)。
100Vのコンプレッサーでブレーカーは使えますか?
使えません。ブレーカーの空気消費量(1m³/min=1,000L/min前後)は、100Vの小型機の吐出空気量の10倍ほどです。
はつりで出た粉じんをエアーで吹き飛ばしてもよいですか?
屋内の粉じん作業場では、たまった粉じんは真空掃除機や水洗いなど、飛び散らない方法で清掃します(粉じん障害防止規則 第24条)。難しいときは、有効な呼吸用保護具を使わせることが条件です。




