工作機械の切粉の清掃にエアガンを使うときのコンプレッサー|エアダスターの空気消費量と、安全のための決まり
この記事の結論
- 結論
- エアダスター1本で、0.5MPa付近で135〜260L/minほどの空気を使う(ベッセルの公表値)。続けて吹くなら、吐出空気量に余裕のあるコンプレッサーが要る
- 運転中の機械の刃のまわりの切粉払いには、ブラシなどの用具を使わせることが労働安全衛生規則(第108条)で事業者に義務付けられている
- エアガンを使うときは、保護めがねを着け、人に向けないことがメーカーの注意書きで明記されている
- 誰のためのページか
- 町工場や製造現場で、工作機械の切粉をエアガンで清掃しており、必要なコンプレッサーと安全上の決まりを確かめたい人
- このページの目的
- エアガンの空気消費量から必要なコンプレッサーを決め、切粉の清掃で守るべき法律とメーカーの安全の決まりを確かめられるようにすること
- 書き手の立場
- 元エアコンプレッサーの開発・プロデュースに携わっていた運営者が、その専門知見をもとに、特定メーカーに偏らない事実重視のメディアの立場で執筆・監修しています。 運営者情報
- 情報の出どころ
- 価格・評価は楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングの公式APIから取得し自動更新。スペックはメーカー公表値と販売ページの表記をもとに整理。最終更新 2026/11/07
旋盤やフライス盤、ボール盤のまわりにたまる切粉(きりこ)を、エアガン(エアダスター)で吹き飛ばして清掃する現場は多くあります。エアガンは手軽ですが、思ったより多くの空気を使い、使い方によっては危険もあります。この記事では、メーカーの公表値と法律をもとに、切粉の清掃に使うコンプレッサーの選び方と安全の決まりをまとめます。
結論
- 空気の量:エアダスター1本で135〜260L/minほど(ベッセルの公表値)
- 法律:運転中の機械の刃のまわりの切粉払いには、ブラシなどの用具を使わせることが事業者の義務です(労働安全衛生規則 第108条)
- メーカーの注意:保護めがねを着け、ノズルを人に向けないこと
エアダスターの空気消費量
| 機種(ベッセル) | ノズル | 圧力 | 空気消費量 |
|---|---|---|---|
| AD-2 0N(標準ノズル) | 内径2.1mm | 測定圧0.49MPa(最高0.97MPa) | 135L/min |
| AD-4 J(流量調整ノズル) | 内径2mm | 常用0.5MPa(最高0.7MPa) | 150L/min |
| AD-4 N(標準ノズル) | 内径2mm | 常用0.5MPa | 180L/min |
| AD-4 M(増量ノズル) | 2mm×1+0.8mm×4 | 常用0.5MPa | 230L/min |
| AD-4 N-150〜300(ロングノズル) | 内径2.5mm | 常用0.5MPa | 230L/min |
| AD-2 PLS(パルスエアーダスター) | 2.9mm | 測定圧0.5MPa | 260L/min |
出典:ベッセル エアーダスターのチラシ。AD-4の消費量の測定圧力は、チラシに明記がありません。
必要なコンプレッサーの決め方
続けて吹くなら、吐出空気量で選ぶ
エアガンは、引き金を引いている間ずっと空気を使います。短く吹くだけならタンクの空気でまかなえますが、続けて吹くと、コンプレッサーの吐出空気量が足りないぶん圧力が下がっていきます。たとえば180L/minのエアダスターを続けて使うなら、0.5MPa前後でそれ以上の空気を出せる機種が必要です。100Vの小型機の多くは、これより少ない吐出空気量なので、長く吹く清掃には三相200Vの機種が向きます。
何人かで同時に使うなら足し算
何台もの機械で同時に清掃するなら、エアガンの本数分の空気量を足します。アネスト岩田は、実際に使う空気量より1割以上の余裕を持つよう案内しています。
空気を減らすノズルを使う
同じAD-4でも、標準ノズル(180L/min)を流量調整ノズル(150L/min)にすると空気が減ります。SMCのブローガンの改善事例では、圧力を0.6MPaから0.5MPaに下げるなどの見直しで、コンプレッサーの消費電力が20%下がっています。
安全のための決まり
法律:運転中の刃のまわりはブラシなどで
労働安全衛生規則 第108条は、運転中の機械の刃部で切粉払いをするときは、ブラシその他の適当な用具を使わせなければならないと、事業者に義務付けています。同じ第108条は、刃部のそうじをするときは、原則として機械の運転を止めることも定めています。この条文はエアガンそのものの使用を禁止しているわけではありませんが、刃のまわりの清掃は機械を止めて行い、運転中に切粉を払うときはブラシなどの用具を使います。
メーカーの注意:保護めがね・人に向けない
ベッセルは「人体に向けて使用しない」「飛散物に注意し、保護メガネを着用する」と、SMCも保護めがねの着用とノズルを体に向けないことを明記しています。切粉は鋭く、飛ぶと目や肌を傷つけるおそれがあります。
参考:海外の基準
米国の労働安全衛生局(OSHA)は、清掃に圧縮空気を使うのは30psi(約0.2MPa)未満に減圧した場合に限り、その場合も飛散を防ぐガードと保護具が必要としています(米国の規制で、日本の法律ではありません)。
条件に合うコンプレッサー(当サイトのデータベースから)
当サイトに登録している機種から、吐出空気量の大きい順に自動で並べています。吐出空気量の測り方はメーカーによって違うことがあります。
三相200Vの機種(続けて吹く清掃・複数本向け)
明治機械製作所 APK-110D
- 小型スプレーガンでの塗装
- 車体塗装やサンダーなど連続作業
- 不向き:200V電源のない家庭での使用
アネスト岩田 TLP75EG-10
- 小型スプレーガンでの塗装
- 車体塗装やサンダーなど連続作業
- 不向き:200V電源のない家庭での使用
明治機械製作所 GK-75D
- 小型スプレーガンでの塗装
- 車体塗装やサンダーなど連続作業
- 不向き:住宅地での夜間使用(騒音76dB)
明治機械製作所 APKM-75A-6P
- 小型スプレーガンでの塗装
- 車体塗装やサンダーなど連続作業
- 不向き:200V電源のない家庭での使用
アネスト岩田 TLP55EG-10
- 小型スプレーガンでの塗装
- 車体塗装やサンダーなど連続作業
- 不向き:200V電源のない家庭での使用
100Vの機種(短く吹く清掃向け)
藤原産業 L30LPF-01 30L
- 小型スプレーガンでの塗装
- 釘打ち・インパクトレンチなどの断続作業
HAIGE HG-DC991AL 36L
- 小型スプレーガンでの塗装
- 釘打ち・インパクトレンチなどの断続作業
- 不向き:住宅地での夜間使用(騒音80dB)
HAIGE HG-DC992 0.8L
- 小型スプレーガンでの塗装
- タイヤの空気補充・ブロー・エアブラシ
- 不向き:タンクが小さいため連続作業全般に不向き
高儀 TG-39LA 39L
- 小型スプレーガンでの塗装
- 釘打ち・インパクトレンチなどの断続作業
和コーポレーション SP-40TMX 39.5L
- 小型スプレーガンでの塗装
- 釘打ち・インパクトレンチなどの断続作業
- 不向き:住宅地での夜間使用(騒音78dB)
まとめ
切粉の清掃に使うエアダスターは、1本で135〜260L/minほどの空気を使います。続けて吹くなら、その空気量に余裕のある吐出空気量のコンプレッサーを選び、何本も使うなら足し算します。運転中の刃のまわりの切粉払いはブラシなどの用具で行うことが法律で決まっていて、エアガンを使うときは保護めがねを着け、人に向けないでください。エアダスター全般の選び方はエアダスター用コンプレッサーの選び方、空気量の計算はエアブローに必要なコンプレッサーも参照してください。
ほかの作業・機械に必要なコンプレッサーは、作業・機械別 コンプレッサーの選び方にまとめています。
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よくある質問
切粉の清掃用のエアガンには、どれくらいのコンプレッサーが必要ですか?
エアダスター1本で、0.5MPa付近で135〜260L/minほどの空気を使います(ベッセルの公表値)。続けて吹くなら、その空気量に1割以上の余裕がある吐出空気量の機種を選んでください。
エアガンで切粉を飛ばすのは法律で禁止されていますか?
エアガンそのものを禁止する条文ではありませんが、労働安全衛生規則 第108条は、運転中の機械の刃部の切粉払いにはブラシなどの用具を使わせるよう事業者に義務付けています。
エアガンを使うときの注意は?
保護めがねを着け、ノズルを人に向けないことが、メーカー(ベッセル、SMC)の注意書きで明記されています。









