研究室・分析装置に使うコンプレッサーの選び方|粒子径分布測定装置・スプレードライヤーの必要な空気圧と空気量、オイルフリーと除湿
この記事の結論
- 結論
- 研究室の装置が使う空気の量は小さい。島津製作所の乾式ユニットSALD-DS5はコンプレッサーに45L/minを求め、BUCHIのスプレードライヤーB-290は200〜800L/h(1分あたり数L〜十数L)
- 圧力は0.5〜0.8MPaの供給が必要。島津はコンプレッサーの要件として出力0.4kW・最低約0.69MPa・タンク約30Lを挙げている
- 研究室では量より空気の質が大事。BUCHIは乾燥して不純物を含まない空気を求め、圧縮空気の設備が無ければ5〜8barを出せるオイルフリーのコンプレッサーを使うよう案内している
- 誰のためのページか
- 大学・企業の研究室や品質管理室で、分析装置や実験装置のために圧縮空気が必要になり、置くコンプレッサーの大きさと空気の質を決めたい人
- このページの目的
- 装置メーカーの公表値から、研究室に置くコンプレッサーの圧力・空気量・タンクと、油・水・ゴミを取り除く方法を決められるようにすること
- 書き手の立場
- 元エアコンプレッサーの開発・プロデュースに携わっていた運営者が、その専門知見をもとに、特定メーカーに偏らない事実重視のメディアの立場で執筆・監修しています。 運営者情報
- 情報の出どころ
- 価格・評価は楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングの公式APIから取得し自動更新。スペックはメーカー公表値と販売ページの表記をもとに整理。最終更新 2026/11/07
研究室の分析装置や実験装置には、圧縮空気を使うものがあります。たとえば、粉の粒の大きさを測るレーザー回折式の粒子径分布測定装置の乾式ユニットは、空気で粉を分散させます。実験用のスプレードライヤーは、空気で液体を霧にします。建物に圧縮空気の配管が無い場合は、装置の近くにコンプレッサーを置くことになります。この記事では、装置メーカーが公表している数字をもとに、研究室向けのコンプレッサーの選び方をまとめます。
結論
- 空気の量は小さい:コンプレッサーに求める量は、SALD-DS5で45L/min、B-290で200〜800L/hです
- 圧力:供給は0.5〜0.8MPaが必要です
- 空気の質が大事:油・水・ゴミを取り除きます。BUCHIは、設備が無ければオイルフリーのコンプレッサーを使うよう案内しています
- 音:人のいる部屋に置くなら、静音型を選ぶか別室に置きます
装置ごとの公表値
| 装置 | 供給する空気圧 | 空気の量 | メーカーが示すコンプレッサー・空気の質 |
|---|---|---|---|
| 島津製作所 SALD-DS5(レーザー回折式粒子径分布測定装置の乾式ユニット) | 0.6〜0.8MPa(装置内で0.05〜0.5MPaに調圧) | コンプレッサー側の要件 45L/min | コンプレッサーの要件:出力0.4kW、最低約0.69MPa、タンク約30L。5µm以上の粒子を除くフィルター。接続はφ6mmチューブ |
| BUCHI ミニスプレードライヤー B-290 | 5〜8bar(0.5〜0.8MPa)、標準は6bar | 200〜800L/h | 乾燥していて不純物を含まない空気。社内に圧縮空気設備が無ければオイルフリーのエアコンプレッサー。窒素でも運転できる |
出典:島津製作所 SALD-DS5 仕様、BUCHI B-290 取扱説明書(日本語)。200〜800L/hは、1分あたりにするとおよそ3.3〜13.3L/minです(当サイトの換算)。SALD-DS5は、別に集塵機も必要です。
コンプレッサーの決め方
1. 圧力:装置の供給圧力の下限より高く
コンプレッサーは、タンクの圧力が設定の下限まで下がるとモーターが動き出します。その下限でも装置に必要な圧力を送れるように選びます。SALD-DS5の要件で島津が「最低約0.69MPa」を挙げているのは、この考え方です。0.6MPa以上の供給が必要な装置なら、制御圧力の下限が0.7MPa前後以上の機種が目安になります。一般的な小型機は最高圧力が0.8MPa前後なので、制御圧力の範囲まで仕様表で確かめてください。
2. 空気の量:小型機で足りることが多い
45L/minや数L〜十数L/minは、コンプレッサーとしては小さい量です。100Vの小型機でも足りる場合が多く、タンクがあれば測定中の空気の出入りを補えます。ただし、吐出空気量は測った圧力によって変わるので、0.6〜0.7MPa前後で測った値で確かめると確実です。
3. 空気の質:油・水・ゴミを取り除く
研究室では、空気に油や水、細かいゴミが混ざると、測定結果や試料に影響します。
- 油:オイルレス(オイルフリー)の機種を選びます。BUCHIはオイルフリーのコンプレッサーを案内しています
- 水:タンクにたまる水(ドレン)を抜き、必要ならドライヤーで空気を乾かします。BUCHIは乾燥した空気を求めています
- ゴミ:装置の手前にフィルターを付けます。島津は5µm以上の粒子を除くフィルターを挙げ、BUCHIは活性炭フィルター・フィルター・水分離器のメンテナンスユニットを推奨しています
4. 音と置き場所
研究室は人が作業する部屋なので、コンプレッサーの音が問題になりやすい場所です。静音型を選ぶか、隣の部屋や廊下側に置いてチューブで送ります。
条件に合うコンプレッサー(当サイトのデータベースから)
当サイトに登録しているAC100Vのオイルレス機のうち、吐出空気量50L/min以上のものを、メーカー公表の騒音値の小さい順に自動で並べています。吐出空気量と制御圧力が装置の条件を満たすかは、各機種の仕様で確かめてください。
エスコ EA116SW 30L
- 釘打ち・インパクトレンチなどの断続作業
- 住宅地・屋内での使用(静音)
- 不向き:連続使用の塗装(スプレーガン)には吐出空気量が不足しやすい
アストロプロダクツ VSC033 38L
- 釘打ち・インパクトレンチなどの断続作業
- 住宅地・屋内での使用(静音)
- 不向き:連続使用の塗装(スプレーガン)には吐出空気量が不足しやすい
アストロプロダクツ VSC034 30L
- 釘打ち・インパクトレンチなどの断続作業
- 住宅地・屋内での使用(静音)
- 不向き:連続使用の塗装(スプレーガン)には吐出空気量が不足しやすい
日立産機システム 0.75LE-8SB 30L
- 釘打ち・インパクトレンチなどの断続作業
- 住宅地・屋内での使用(静音)
- 不向き:連続使用の塗装(スプレーガン)には吐出空気量が不足しやすい
藤原産業 SK11 SW-121 11L(SW-L11MPF-01)
- 住宅地・屋内での使用(静音)
- 家庭のコンセントでの使用
- 不向き:連続使用の塗装(スプレーガン)には吐出空気量が不足しやすい
導入前に確かめること
- 装置の取扱説明書:供給圧力・空気量・空気の質の条件は装置ごとに違います。必ず装置メーカーの指定に合わせます
- 建物の設備:建物に圧縮空気の配管がある場合は、その空気の質(油・水)を設備の担当者に確かめます
- チューブ径:SALD-DS5はφ6mmのチューブで接続します。コンプレッサー側の継手と合わせます
- 窒素の利用:B-290のように窒素でも運転できる装置は、ボンベの窒素を使う選択肢もあります
まとめ
研究室の分析装置や実験装置が使う空気の量は小さく、島津 SALD-DS5で45L/min、BUCHI B-290で200〜800L/hです。供給圧力は0.5〜0.8MPaが必要で、島津はコンプレッサーの要件として0.4kW・最低約0.69MPa・タンク約30Lを挙げています。研究室では量より空気の質と音が大事なので、オイルフリーの静音型を選び、フィルターと水抜きで空気をきれいにしてください。
ほかの作業・機械に必要なコンプレッサーは、作業・機械別 コンプレッサーの選び方にまとめています。
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よくある質問
粒子径分布測定装置にはどんなコンプレッサーが必要ですか?
島津製作所の乾式ユニットSALD-DS5は、0.6〜0.8MPaの供給圧力と、コンプレッサー側で45L/minを求めています。コンプレッサーの要件として出力0.4kW・最低約0.69MPa・タンク約30Lが挙げられ、5µm以上の粒子を除くフィルターを使います。
スプレードライヤーにはどれくらいの空気が要りますか?
BUCHIのミニスプレードライヤーB-290は、5〜8bar(標準6bar)の空気を200〜800L/h使います。乾燥していて不純物を含まない空気が必要で、設備が無ければオイルフリーのコンプレッサーを使うよう案内されています。
研究室のコンプレッサーはオイルレスがよいですか?
空気に油が混ざると測定や試料に影響するため、オイルレス(オイルフリー)の機種が向いています。BUCHIはオイルフリーのコンプレッサーを案内しています。
100Vの小型コンプレッサーで足りますか?
空気の量が45L/min以下の装置なら、空気の量は100Vの小型機でも足りる場合があります。ただし、制御圧力の下限が装置の供給圧力を満たすかを仕様で確かめてください。




