箔押し機・熱転写プレス・スクリーン印刷機に使うコンプレッサーの選び方|必要な空気圧と空気量、電源の合わせ方
この記事の結論
- 結論
- エア式の箔押し機・スクリーン印刷機は、メーカーの公表値では0.5MPa前後の空気で動く(熱転写プレスは使用空気圧の公表なし)。コンプレッサーは、制御圧力の下限が0.6〜0.7MPa以上になる機種を選ぶ
- 空気の量は機械でかなり違う。卓上のスクリーン印刷機は10NL/min、箔押し機は1回押すごとに4.4NL、熱転写プレスは「2HP以上のコンプレッサー」と案内されている例がある
- 機械の電源とコンプレッサーの電源は別に考える。三相200Vの箔押し機でも、空気の量が少なければ100Vのコンプレッサーで足りる場合がある
- 誰のためのページか
- 印刷所・名入れ工房・Tシャツ工房などで、エア式の箔押し機・熱転写プレス・スクリーン印刷機を導入する予定で、組み合わせるコンプレッサーを決めたい人
- このページの目的
- 機械メーカーが公表している使用空気圧と空気消費量から、必要なコンプレッサーの圧力・空気量・電源を自分で決められるようにすること
- 書き手の立場
- 元エアコンプレッサーの開発・プロデュースに携わっていた運営者が、その専門知見をもとに、特定メーカーに偏らない事実重視のメディアの立場で執筆・監修しています。 運営者情報
- 情報の出どころ
- 価格・評価は楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングの公式APIから取得し自動更新。スペックはメーカー公表値と販売ページの表記をもとに整理。最終更新 2026/11/07
箔押し機(ホットスタンプ機)、熱転写プレス機、スクリーン印刷機には、電動式とエア式があります。エア式は、押す力や版を動かす力を圧縮空気でつくるので、本体とは別にエアーコンプレッサーが必要です。この記事では、メーカーが公表している数字をもとに、機械ごとに必要なコンプレッサーの条件をまとめます。
まず、導入する機械がエア式かどうかを確かめてください。同じメーカーでも、電動式の機種は「コンプレッサー不要」と書かれています。
結論
- 圧力:公表値のある機種は、どれも0.5MPa前後の空気で動きます。コンプレッサーは、制御圧力の下限が0.6〜0.7MPa以上になる機種を選びます
- 空気の量:機械で大きく違います。卓上のスクリーン印刷機は10NL/min、箔押し機は1回押すごとに4.4NL、熱転写プレスは「2HP以上」と案内されています
- 電源:機械とコンプレッサーの電源は別です。空気の量が少なければ、三相200Vの機械にも100Vのコンプレッサーで足りる場合があります
機械ごとの公表値
| 機械 | 機種 | 使用空気圧 | 空気の量 | 本体の電源 |
|---|---|---|---|---|
| 箔押し機(ロール式) | トーヨーコーポレーション RAS-100 | 0.5MPa | 1回押すごとに4.4NL | 三相200V・3.0kW |
| 熱転写プレス(エアー駆動式・全自動) | ハシマ HP-4536A-W | 公表なし | 公表なし(別途2HP以上のコンプレッサーが必要) | 三相200V |
| 熱転写プレス(エアー駆動式・デュアル) | イメージマジック IMPR-B12N | 公表なし | 公表なし(別途コンプレッサーとエアーチューブを用意、外径8mmチューブ対応) | 100V・1500W |
| スクリーン印刷機(卓上・半自動) | マイクロ・テック LABTOP 38 | 0.5MPa | 10NL/min | 単相100V・15A |
| スクリーン印刷機(高精度・低印圧) | マイクロ・テック MT-320T | 0.5MPa | 50NL/min | 単相100V・15A |
出典:各メーカーの製品ページ・仕様表(本文末尾)。NLは、標準の状態に直した空気の量です。熱転写プレスの仕様表にある「加圧力」は、機械が素材を押す力で、コンプレッサーから送る空気圧とは別の数字です。
必要なコンプレッサーの決め方
1. 圧力:使用空気圧より0.1〜0.2MPa高く
コンプレッサーは、タンクの圧力が設定の下限まで下がるとモーターが動き出します。アネスト岩田は、機械が使う圧力よりも、制御圧力の下限が0.1〜0.2MPa高い機種を選ぶよう案内しています。0.5MPaで動く機械なら、下限が0.6〜0.7MPaになる機種が目安です。一般的な小型機の多くは、最高圧力が0.8MPa前後です。
2. 空気の量:1分あたりに直して、1割以上の余裕
箔押し機のように「1回あたり」で公表されている場合は、1分に押す回数をかけて1分あたりに直します。たとえば4.4NLの機械を1分に10回押すなら、4.4×10=44NL/minです(回数は例です。実際の回数で計算してください)。そのうえで、アネスト岩田は、実際に使う空気量より1割以上の余裕を持ってコンプレッサーを選ぶよう案内しています。
3. 押す動作の合間はタンクが補う
プレスや箔押しは、押すときだけ空気を使い、合間は使いません。こうした使い方では、タンクにためた空気が一時的な不足を補います。A&Cサービスの例では、0.7MPa・60Lのタンクなら、0.4MPaに下がるまでにおよそ180Lの空気を使えます。1日中続けて押す場合は、タンクより、コンプレッサーの吐出空気量と連続運転の時間を優先して見てください。
4. 電源は機械と別に考える
箔押し機や全自動の熱転写プレスには、三相200Vの機種があります(RAS-100、HP-4536A-W)。一方で、コンプレッサーに必要なのは空気の量なので、上の計算で空気の量が少なければ、100Vのコンプレッサーで足りる場合があります。反対に、メーカーが「2HP以上」のように出力を指定している場合は、その指定に従います。2HPはおよそ1.5kWで、100Vのコンセントで使える機種の多くより大きく、三相200V機が中心になります。
機械ごとの目安
| 機械 | コンプレッサーの目安 |
|---|---|
| 卓上のスクリーン印刷機(10NL/min) | 空気の量はごく少ないので、100Vの小型機で足ります。音を抑えたいなら静音型 |
| 精密スクリーン印刷機(50NL/min) | 1割の余裕をみて55L/min以上。0.5MPa以上の圧力で、その空気量を出せる100V機 |
| エア式の箔押し機(1回4.4NL) | 1分の押す回数から計算。1分10回なら44NL/min、余裕をみて50L/min前後 |
| エアー駆動式の熱転写プレス(2HP以上と指定) | 指定どおり2HP(約1.5kW)以上。三相200V機が中心 |
コンプレッサーの吐出空気量は、メーカーによって測る圧力が違います。0.5MPaや0.7MPaで測った値を公表している機種なら、その値で比べると確実です。
条件に合うコンプレッサー(当サイトのデータベースから)
当サイトに登録している機種から、吐出空気量の条件で自動で並べています。吐出空気量の測り方はメーカーによって違うことがあります。
吐出空気量50L/min以上の100V機(卓上機・箔押し機向け)
HAIGE HG-1300RB-30 30L
- 釘打ち・インパクトレンチなどの断続作業
- 家庭のコンセントでの使用
- 不向き:連続使用の塗装(スプレーガン)には吐出空気量が不足しやすい
HAIGE HG-DC880N1
- 家庭のコンセントでの使用
- 持ち運び(7.7kg)
- 不向き:連続使用の塗装(スプレーガン)には吐出空気量が不足しやすい
HAIGE HG-DC882 5L
- タイヤの空気補充・ブロー・エアブラシ
- 家庭のコンセントでの使用
- 不向き:連続使用の塗装(スプレーガン)には吐出空気量が不足しやすい
HAIGE HG-DC991AL 36L
- 小型スプレーガンでの塗装
- 釘打ち・インパクトレンチなどの断続作業
- 不向き:住宅地での夜間使用(騒音80dB)
HAIGE HG-DC1090BT 5L
- タイヤの空気補充・ブロー・エアブラシ
- 家庭のコンセントでの使用
- 不向き:連続使用の塗装(スプレーガン)には吐出空気量が不足しやすい
三相200Vの機種(2HP以上の指定がある機械向け)
明治機械製作所 APK-110D
- 小型スプレーガンでの塗装
- 車体塗装やサンダーなど連続作業
- 不向き:200V電源のない家庭での使用
アネスト岩田 TLP75EG-10
- 小型スプレーガンでの塗装
- 車体塗装やサンダーなど連続作業
- 不向き:200V電源のない家庭での使用
明治機械製作所 GK-75D
- 小型スプレーガンでの塗装
- 車体塗装やサンダーなど連続作業
- 不向き:住宅地での夜間使用(騒音76dB)
明治機械製作所 APKM-75A-6P
- 小型スプレーガンでの塗装
- 車体塗装やサンダーなど連続作業
- 不向き:200V電源のない家庭での使用
アネスト岩田 TLP55EG-10
- 小型スプレーガンでの塗装
- 車体塗装やサンダーなど連続作業
- 不向き:200V電源のない家庭での使用
導入前に確かめること
- エア式かどうか:同じ形の機械でも、電動式ならコンプレッサーは要りません。製品ページで「使用流体」「エアー源」の欄を確かめてください
- 空気の入口の形:機械の空気の入口と、コンプレッサーのカプラーやチューブの径が合うかを確かめます。例として、IMPR-B12Nは外径8mmのチューブに対応しています
- 水と油:圧縮空気には水が混ざります。紙や布に水が飛ばないよう、エアフィルターを付け、タンクの水(ドレン)は毎日抜きます
- 置き場所と音:作業場が狭いときは、静音型を選ぶか、コンプレッサーを別の部屋に置いてホースで送ります
まとめ
エア式の箔押し機・熱転写プレス・スクリーン印刷機は、公表値のある機種では0.5MPa前後の空気で動きます。コンプレッサーは、制御圧力の下限が0.6〜0.7MPa以上で、1分あたりに直した空気の量に1割以上の余裕がある機種を選びます。機械の電源とは別に、空気の量からコンプレッサーの電源を決め、メーカーが出力を指定している場合はその指定に従ってください。
ほかの作業・機械に必要なコンプレッサーは、作業・機械別 コンプレッサーの選び方にまとめています。
選び方PDFを無料で受け取る
吐出空気量・タンク容量・電源の決め方と、用途ごとの目安を1冊にまとめたPDFです。メールアドレスを登録すると、すぐにご覧いただけます。
よくある質問
箔押し機にはどれくらいのコンプレッサーが必要ですか?
エア式の箔押し機の例(トーヨーコーポレーション RAS-100)では、使用空気圧0.5MPa、1回押すごとに4.4NLの空気を使います。1分に押す回数をかけて1分あたりの空気量に直し、1割以上の余裕がある機種を選んでください。
熱転写プレス機にコンプレッサーは必要ですか?
エアー駆動式なら必要です。たとえばハシマのエアー駆動式全自動転写プレスは「別途2HP以上コンプレッサーが必要」としています。電動式・手動式の機種は不要です。
スクリーン印刷機は100Vのコンプレッサーで使えますか?
卓上の半自動機(マイクロ・テック LABTOP 38)は使用空気圧0.5MPa・空気消費量10NL/minで、空気の量はごく少ないため、100Vの小型機で足ります。
機械が三相200Vなら、コンプレッサーも200Vにする必要がありますか?
必ずしも必要ではありません。コンプレッサーに必要なのは空気の量です。空気の量が少なければ100Vの機種で足りる場合があります。ただし、メーカーがコンプレッサーの出力を指定している場合は、その指定に従ってください。









