井戸水をエアーリフトで汲み上げるには?|仕組みと、コンプレッサーかブロワかの選び方
この記事の結論
- 結論
- エアーリフトは、揚水管の下に空気を送り、泡で軽くなった水が周りの水に押し上げられる仕組み。水の中に動く部品が無く、構造が単純で壊れにくい
- 浅い場合は、浄化槽用ブロワ(送気量40L/分・29.5W・11kPa)で最大50L/分を揚水できた公的機関の実験例がある
- 空気を送る深さ1mあたりおよそ9.8kPa以上の圧力が要る。井戸の深さごとの必要な空気量の公的な目安は見つからず、理論式でも正確に予測できないとする研究がある。連続運転するなら、24時間運転を前提にした機器を選ぶ
- 誰のためのページか
- 家庭や農業で、井戸水をエアーリフトで汲み上げており、コンプレッサーの買い替えや、ブロワで代えられないかを考えている人
- このページの目的
- エアーリフトの仕組みと、必要な圧力・空気量の考え方を確かめ、コンプレッサーとブロワのどちらを選ぶか判断できるようにすること
- 書き手の立場
- 元エアコンプレッサーの開発・プロデュースに携わっていた運営者が、その専門知見をもとに、特定メーカーに偏らない事実重視のメディアの立場で執筆・監修しています。 運営者情報
- 情報の出どころ
- 価格・評価は楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングの公式APIから取得し自動更新。スペックはメーカー公表値と販売ページの表記をもとに整理。最終更新 2026/11/07
井戸水の汲み上げにエアーリフトを使っていて、コンプレッサーを買い替えたい、という相談は、販売の現場でも受けることがあります。エアーリフトは、ポンプを水の中に入れずに、空気の泡で水を押し上げる方法です。この記事では、公的機関の実験と学術資料をもとに、仕組みと、空気を送る機器の選び方をまとめます。
結論
- 仕組み:揚水管の下に空気を送り、泡で軽くなった水が押し上げられます。水の中に動く部品がありません
- 浅い場合:浄化槽用ブロワ程度(40L/分・11kPa)で最大50L/分を揚水できた実験例があります
- 深い場合:空気を送る深さ1mあたりおよそ9.8kPa以上の圧力が要ります。必要な空気量は井戸ごとに違い、計算で正確には出せません
エアーリフトの仕組み
山形県水産試験場の資料によると、エアリフトは「圧縮空気を揚水管の中へ送り、気泡の上昇とともに周囲の水を揚水する構造」です。泡の混ざった管の中の水は、周りの水より軽くなるので、周りの水に押されて上がっていきます。送水ポンプより構造が単純で壊れにくく、運転費が安いとされています。
公的機関の実験例
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 空気を送った機器 | 市販の浄化槽用ブロワ(送気量40L/分、消費電力29.5W、送気圧力11kPa) |
| 揚水管 | 塩ビ管(VP30〜VU65) |
| 空気を送る深さ | 水深0〜60cm |
| 結果 | 深いほど、管が太いほど揚水量が増える傾向。最大50L/分を揚水 |
| ポンプとの比較 | 同じ水量をポンプで揚げると、陸上ポンプで90W、水中ポンプで50W |
出典:山形県水産試験場 成果情報(令和元年度)。水産の現場での実験で、浅い水深での例です。
井戸の深さと必要な圧力
空気を水の中に送り込むには、空気を出す位置の水圧より高い圧力が必要で、水深1mあたりおよそ9.8kPa(約0.01MPa)です。たとえば空気を水面から10m下で出すなら、およそ98kPa(約0.1MPa)以上の圧力が要ります。浄化槽用ブロワの定格圧力は10kPa台のものが多いので、空気を深い位置で出す井戸では、より高い圧力を出せるブロワや、コンプレッサーが必要になります。
必要な空気量については、井戸の深さや管の太さごとの目安を示した公的・メーカーの資料は、当サイトが調べた範囲では見つかりませんでした。学術研究(Enanyら、2021年)では、揚水管の6〜7割台が水面下にあるときに効率よく揚水できたとしつつ、既存の理論モデルでは性能を正確に予測できなかったとしています。今のエアーリフトで使っている機器の圧力と空気量を基準に、同じかそれ以上の機器を選ぶのが確実です。
コンプレッサーかブロワか
- 浅い位置で空気を出すなら:低い圧力で大量の空気を送るブロワが向きます。24時間365日の運転を前提にした浄化槽用ブロワ(例:テクノ高槻 HIBLOW)もあります
- 深い位置で空気を出すなら:その水圧より高い圧力が要るので、コンプレッサーが候補になります。ただし、家庭・作業用の小型コンプレッサーには、30分以上の連続運転を禁じている機種があります(高圧型の明治機械 SIRE BLACKの取扱説明書)。お風呂の時間だけなど使う時間が短いならよいですが、長く動かすなら連続運転できる機種を選んでください
- 電気代:省エネルギーセンターは、低い圧力でよい用途に高い圧力の圧縮空気を減圧して使うと大きなロスになるとしています。必要な圧力に合った機器を選ぶのが省エネの基本です
条件に合うコンプレッサー(当サイトのデータベースから)
深い位置で空気を出す井戸で、短い時間だけ使う場合の候補として、当サイトに登録しているAC100Vのオイルレス機を口コミと価格の情報で並べています。連続運転の可否は、各機種の取扱説明書で確かめてください。
HAIGE HG-1300RB-30 30L
- 釘打ち・インパクトレンチなどの断続作業
- 家庭のコンセントでの使用
- 不向き:連続使用の塗装(スプレーガン)には吐出空気量が不足しやすい
HAIGE HG-DC880N1
- 家庭のコンセントでの使用
- 持ち運び(7.7kg)
- 不向き:連続使用の塗装(スプレーガン)には吐出空気量が不足しやすい
HAIGE HG-DC882 5L
- タイヤの空気補充・ブロー・エアブラシ
- 家庭のコンセントでの使用
- 不向き:連続使用の塗装(スプレーガン)には吐出空気量が不足しやすい
HAIGE HG-DC991AL 36L
- 小型スプレーガンでの塗装
- 釘打ち・インパクトレンチなどの断続作業
- 不向き:住宅地での夜間使用(騒音80dB)
HAIGE HG-DC1090BT 5L
- タイヤの空気補充・ブロー・エアブラシ
- 家庭のコンセントでの使用
- 不向き:連続使用の塗装(スプレーガン)には吐出空気量が不足しやすい
まとめ
エアーリフトは、泡で水を押し上げる構造の単純な揚水方法で、浅い場合は浄化槽用ブロワ程度でも揚水できた実験例があります。空気を出す位置が深いほど、1mあたりおよそ9.8kPa以上の圧力が要ります。必要な空気量は井戸ごとに違うので、今使っている機器の圧力と空気量を基準にし、長く動かすなら24時間運転できるブロワか、連続運転できるコンプレッサーを選んでください。
ほかの作業・機械に必要なコンプレッサーは、作業・機械別 コンプレッサーの選び方にまとめています。
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よくある質問
エアーリフトで井戸水を汲み上げるのに必要な圧力は?
空気を出す位置の水深1mあたり、およそ9.8kPa(約0.01MPa)以上の圧力が要ります。水面から10m下で空気を出すなら、およそ98kPa(約0.1MPa)以上です。
ブロワでエアーリフトはできますか?
浅い位置で空気を出すならできます。山形県水産試験場の実験では、浄化槽用ブロワ(40L/分・11kPa)で最大50L/分を揚水しています。深い位置で空気を出す場合は、より高い圧力が必要です。
家庭用のコンプレッサーを長時間動かしてもよいですか?
機種によります。30分以上の連続運転を禁じている取扱説明書もあります。長く動かすなら、24時間運転を前提にしたブロワか、連続運転できる機種を選んでください。




