エアブロー(型抜き・離型・水切り・ほこり飛ばし)に必要なコンプレッサー|ノズルの内径から空気量を計算する方法
この記事の結論
- 結論
- エアブローの空気の量は、ノズルの内径の2乗に比例して増える。J-Net21の式で計算すると、0.5MPaで内径1mmなら約51L/min、2mmなら約204L/min、3mmなら約459L/min
- 工場の圧縮空気の大きな割合をエアブローが占める(J-Net21は機械工場で50%、SMCは70%としている)。ノズルを小さくする・圧力を下げる・対象に近づけると、コンプレッサーの電気代が下がる
- 水切りや乾燥のように、低い圧力で大量の風が要る用途は、コンプレッサーよりブロアのほうが安い場合がある
- 誰のためのページか
- 工場や作業場で、型抜き・離型・水切り・ほこり飛ばしなどのエアブローに使うコンプレッサーを選びたい人、エアブローの電気代を下げたい人
- このページの目的
- ノズルの内径と圧力からエアブローの空気量を自分で計算し、必要なコンプレッサーの大きさを決められるようにすること
- 書き手の立場
- 元エアコンプレッサーの開発・プロデュースに携わっていた運営者が、その専門知見をもとに、特定メーカーに偏らない事実重視のメディアの立場で執筆・監修しています。 運営者情報
- 情報の出どころ
- 価格・評価は楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングの公式APIから取得し自動更新。スペックはメーカー公表値と販売ページの表記をもとに整理。最終更新 2026/11/07
お菓子や樹脂の成形品を型から外す、洗った部品の水を切る、作業台のほこりを飛ばすなど、圧縮空気を吹き付けるエアブローはさまざまな現場で使われています。エアブローの空気の量は、ノズルの内径と圧力でほぼ決まるので、計算で目安を出せます。この記事では、中小企業基盤整備機構(J-Net21)の計算式とメーカーの事例をもとに、必要なコンプレッサーの決め方をまとめます。
結論
- 空気の量:ノズルの内径の2乗に比例します。0.5MPaで内径2mmなら約204L/min(計算値)
- 電気代:ノズルを小さく、圧力を低く、対象に近づけると下がります
- ブロアも候補:水切り・乾燥のように低い圧力で大風量の用途は、ブロアのほうが安い場合があります
ノズルの内径から空気量を計算する
J-Net21は、ノズル1本の空気量の目安を次の式で示しています(ノズルの手前の圧力が0.1MPa以上の場合)。
空気量(L/min・ANR)≒ 85 × ノズル内径(mm)の2乗 × (圧力MPa+0.1)
この式で、0.5MPaのときの空気量を計算すると次のとおりです(当サイトの計算値で、メーカーの公表値ではありません)。
| ノズル内径 | 1mm | 1.5mm | 2mm | 2.5mm | 3mm |
|---|---|---|---|---|---|
| 空気量の目安(0.5MPa) | 約51L/min | 約115L/min | 約204L/min | 約319L/min | 約459L/min |
内径が1mmから2mmになると、空気量は4倍になります。ノズルが複数あるときは、1本あたりの空気量に本数をかけます。
メーカーの公表値で確かめる
| 機種 | 圧力 | 空気消費量 |
|---|---|---|
| ベッセル エアーダスター AD-2 0N(ノズル内径2.1mm) | 0.49MPa(測定圧) | 135L/min |
| ベッセル エアーダスター AD-4 N(内径2mm) | 常用0.5MPa | 180L/min |
| SMC ブローガン VMG(改善事例) | 0.6MPa → 0.5MPa | 287 → 257L/min(ANR) |
出典:ベッセル エアーダスターのチラシ、SMC VMGカタログ。ガンの形や測り方で、計算値とは違う値になります(AD-2 0Nは式では約221L/min、公表値は135L/min)。式の値は多めの目安として使ってください。
電気代を下げるコツ
J-Net21は機械工場の圧縮空気の50%、SMCは70%がエアブローに使われているとしています。エアブローを見直すと、コンプレッサーの電気代に大きく効きます。
圧力を下げる
SMCのブローガンの改善事例では、圧力を0.6MPaから0.5MPaに下げ、継手やホースを見直したことで、空気量が287L/minから257L/minに減り、コンプレッサーの消費電力が1.56kWから1.25kWへ20%下がっています。飛ばせる範囲で、圧力はできるだけ低くします。
対象に近づける
J-Net21によると、内径2mmのノズルの推力は、出口から70mmまではほぼ同じで、200mmでは出口の半分になります。遠くから強く吹くより、近くから吹くほうが少ない空気で飛ばせます。
大風量・低圧ならブロアを比べる
水切りや乾燥のように、強い圧力より風の量が要る用途では、ブロア(送風機)を使う方法があります。スプレーイングシステムス ジャパンの比較例では、エアナイフをコンプレッサー方式からブロア方式に変えると、エネルギーコストが約80%下がる(同社の試算)としています。
型抜き・離型に使うとき
お菓子や食品の型抜き機、樹脂成形の金型の離型に圧縮空気を使う場合、機械ごとの空気量を公表しているメーカーは、当サイトが調べた範囲では見つかりませんでした。その場合は、使っているノズルの内径・本数・圧力・1分あたりに吹く時間から、上の式で目安を出します。食品に直接空気が当たるなら、オイルレス(オイルフリー)の機種を選び、フィルターと水抜きで空気をきれいにします。詳しくはカップシーラー・真空包装機に必要なコンプレッサーの「食品に使う空気の質」を参照してください。
条件に合うコンプレッサー(当サイトのデータベースから)
当サイトに登録している機種から、吐出空気量の大きい順に自動で並べています。吐出空気量の測り方はメーカーによって違うことがあります。
100Vの機種(細いノズル1本の作業向け)
藤原産業 L30LPF-01 30L
- 小型スプレーガンでの塗装
- 釘打ち・インパクトレンチなどの断続作業
HAIGE HG-DC991AL 36L
- 小型スプレーガンでの塗装
- 釘打ち・インパクトレンチなどの断続作業
- 不向き:住宅地での夜間使用(騒音80dB)
HAIGE HG-DC992 0.8L
- 小型スプレーガンでの塗装
- タイヤの空気補充・ブロー・エアブラシ
- 不向き:タンクが小さいため連続作業全般に不向き
高儀 TG-39LA 39L
- 小型スプレーガンでの塗装
- 釘打ち・インパクトレンチなどの断続作業
和コーポレーション SP-40TMX 39.5L
- 小型スプレーガンでの塗装
- 釘打ち・インパクトレンチなどの断続作業
- 不向き:住宅地での夜間使用(騒音78dB)
三相200Vの機種(内径2mm以上・複数のノズル向け)
明治機械製作所 APK-110D
- 小型スプレーガンでの塗装
- 車体塗装やサンダーなど連続作業
- 不向き:200V電源のない家庭での使用
アネスト岩田 TLP75EG-10
- 小型スプレーガンでの塗装
- 車体塗装やサンダーなど連続作業
- 不向き:200V電源のない家庭での使用
明治機械製作所 GK-75D
- 小型スプレーガンでの塗装
- 車体塗装やサンダーなど連続作業
- 不向き:住宅地での夜間使用(騒音76dB)
明治機械製作所 APKM-75A-6P
- 小型スプレーガンでの塗装
- 車体塗装やサンダーなど連続作業
- 不向き:200V電源のない家庭での使用
アネスト岩田 TLP55EG-10
- 小型スプレーガンでの塗装
- 車体塗装やサンダーなど連続作業
- 不向き:200V電源のない家庭での使用
安全のために
エアブローでは、飛んだ破片やほこりが目に入るおそれがあります。メーカー(ベッセル、SMC)は、保護めがねを着け、ノズルを人に向けないよう注意書きで明記しています。
まとめ
エアブローの空気量は、ノズルの内径の2乗と圧力で決まり、0.5MPaで内径2mmなら約204L/min(J-Net21の式による計算値)です。必要なコンプレッサーは、ノズル1本の空気量×本数に余裕を持たせて決めます。電気代を下げるには、ノズルを小さく、圧力を低く、対象に近づけ、低い圧力で大風量が要る用途ではブロアも比べてください。
ほかの作業・機械に必要なコンプレッサーは、作業・機械別 コンプレッサーの選び方にまとめています。
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吐出空気量・タンク容量・電源の決め方と、用途ごとの目安を1冊にまとめたPDFです。メールアドレスを登録すると、すぐにご覧いただけます。
よくある質問
エアブローにはどれくらいの空気量が必要ですか?
ノズルの内径と圧力で決まります。J-Net21の式(空気量≒85×内径mmの2乗×(圧力MPa+0.1))で計算すると、0.5MPaで内径1mmなら約51L/min、2mmなら約204L/minです。
エアブローの電気代を下げる方法は?
ノズルを小さくする、圧力を下げる、対象に近づけることです。SMCの事例では、圧力を0.6MPaから0.5MPaに下げるなどの見直しで、コンプレッサーの消費電力が20%下がっています。
水切りや乾燥にはコンプレッサーとブロアのどちらがよいですか?
低い圧力で大量の風が要る用途なら、ブロアのほうが安い場合があります。スプレーイングシステムス ジャパンの比較例では、ブロア方式でエネルギーコストが約80%下がる(同社試算)としています。









