エアーコンプレッサーの法定点検と資格|第二種圧力容器の定期自主検査(年1回)とは
この記事の結論
- 結論
- ゲージ圧力0.2MPa以上で内容積40L以上(または内径200mm以上かつ長さ1,000mm以上)のタンクは第二種圧力容器
- 事業所では1年以内ごとに1回、本体・ふたの締付けボルト・管と弁を検査し、記録を3年間保存する(第88条)
- 作業主任者が要るのは第一種圧力容器。定期自主検査を怠ると50万円以下の罰金の対象(労働安全衛生法 第120条)
- 誰のためのページか
- 事業所でエアーコンプレッサーを使っていて、法定点検や資格が必要か知りたい人
- このページの目的
- 第二種圧力容器の対象・定期自主検査・資格・罰則を条文に基づいて正確に示すこと
- 書き手の立場
- コンプレッサー関連会社の経営・顧問、3年以上の製品開発、中国をはじめとする海外メーカーの工場の視察、倉庫業者の確保などの物流に携わってきた編集長が、その経験をもとに、特定メーカーに偏らない立場で執筆・監修しています。 編集方針と監修者
- 情報の出どころ
- 価格・評価は楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングの公式APIから取得し自動更新。スペックはメーカー公表値と販売ページの表記をもとに整理。最終更新 2026/11/05
事業所でエアーコンプレッサーを使うとき、「法定点検は必要か」「資格は要るか」と迷う方が多くいます。答えは、タンクが第二種圧力容器に当たるかどうかで決まります。
この記事では、労働安全衛生法と、ボイラー及び圧力容器安全規則の条文をもとに、次の5つを整理します。
- 第二種圧力容器に当たる条件
- 定期自主検査(年1回)の内容と記録
- 資格は要るか
- 怠った場合の罰則
- 機種を選ぶときの考え方
結論:事業所で40L以上などのタンクは、年1回の定期自主検査と3年間の記録の保存が必要
- 対象:ゲージ圧力0.2MPa以上の気体をためる容器で、内容積0.04m³(40L)以上、または胴の内径200mm以上かつ長さ1,000mm以上のものは、第二種圧力容器に当たります(労働安全衛生法施行令 第1条第7号)。
- 定期自主検査:使い始めてから1年以内ごとに1回、本体・ふたの締付けボルト・管と弁の損傷を検査し、結果を記録して3年間保存します(ボイラー及び圧力容器安全規則 第88条)。
- 資格:作業主任者を置く義務があるのは第一種圧力容器の取扱いで、第二種圧力容器は対象に挙がっていません。
- 罰則:定期自主検査をしない、記録しない場合は、50万円以下の罰金の対象です(労働安全衛生法 第120条)。
第二種圧力容器に当たる条件
労働安全衛生法施行令 第1条第7号は、第二種圧力容器を次のように定めています。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 圧力 | ゲージ圧力0.2MPa以上の気体をその内部にためる容器(第一種圧力容器を除く) |
| 大きさ(どちらかに当たる) | イ:内容積が0.04m³(40L)以上 ロ:胴の内径が200mm以上で、かつ長さが1,000mm以上 |
家庭用・業務用のエアーコンプレッサーの多くは、最高圧力が0.2MPaを大きく超える(0.8MPa前後など)ため、タンクの大きさで判断することになります。
- タンク40L以上の機種は、第二種圧力容器に当たります。
- 40L未満でも、細長いタンク(内径200mm以上・長さ1,000mm以上)は当たります。
- サブタンク(増設タンク)も、条件に当たれば対象です。
アネスト岩田は、40L未満のタンクには法的な義務はなく、40L以上は1年以内ごとの自主点検と3年間の保存が必要と説明しています。手元の機種が当たるかは、本体の表示(銘板)とメーカーの資料で確認してください。
第一種圧力容器・小型圧力容器との違い
| 区分 | どんな容器か(施行令 第1条) | コンプレッサーのタンクは |
|---|---|---|
| 第一種圧力容器(第5号) | 蒸気などで加熱する容器、大気圧での沸点を超える液体をためる容器など | 当たらない(空気=気体をためる容器のため) |
| 小型圧力容器(第6号) | 第一種圧力容器のうち、小さいもの | 当たらない |
| 第二種圧力容器(第7号) | ゲージ圧力0.2MPa以上の気体をためる、一定以上の大きさの容器 | 40L以上などは当たる |
定期自主検査の内容(第88条)
| 項目 | 条文の内容 |
|---|---|
| 時期 | 使用を始めてから、1年以内ごとに1回、定期に行う(第1項) |
| 検査する項目 | ①本体の損傷の有無 ②ふたの締付けボルトの摩耗の有無 ③管と弁の損傷の有無(第1項) |
| 使わない期間 | 1年を超えて使わない期間は不要。ただし、使用を再開するときに検査する(第2項) |
| 記録 | 結果を記録し、3年間保存する(第3項) |
| 異常があったら | 補修などの必要な措置をとる(第89条) |
記録に残しておくとよいこと
- 検査した年月日
- 検査の方法と結果(3項目ごと)
- 検査した人
- 補修などをした場合は、その内容
検査は事業者が自ら行う「自主検査」です。社内で行うか、メーカーや販売店の点検サービスに依頼します。
あわせて確認する部品(第86条・第87条)
- 安全弁:最高使用圧力以下で作動するように調整しておく(第86条)
- 圧力計:凍ったり80℃以上になったりしないようにし、目盛りに最高使用圧力の位置を表示する(第87条)
安全弁や圧力スイッチを利用者が勝手に調整しないことは、圧力調整の記事で説明しています。
製造・輸入のときの個別検定(第84条)
第二種圧力容器を製造・輸入した者は、個別検定を受けなければなりません(ボイラー及び圧力容器安全規則 第84条・労働安全衛生法 第44条)。海外から個人で輸入した機種や、出どころの分からない中古品を事業所で使う場合は、個別検定を受けた製品かを販売元・メーカーに確認してください。
資格は要るか
- 作業主任者を置かなければならない作業として、労働安全衛生法施行令 第6条に挙がっているのは「第一種圧力容器の取扱いの作業」です。第二種圧力容器は挙がっていません。
- 第一種圧力容器取扱作業主任者は、ボイラー技士か、技能講習の修了者から選ぶと決められています(ボイラー及び圧力容器安全規則 第62条)。
- 日本ボイラ協会の第二種圧力容器の説明にも、取扱いの資格は書かれておらず、個別検定と年1回の定期自主検査が挙がっています。
このため、エアーコンプレッサーのタンク(第二種圧力容器)の取扱いに、作業主任者の資格は求められていません。ただし、定期自主検査は事業者の義務です。
怠った場合の罰則
- 労働安全衛生法 第45条第1項:政令で定める機械等は、定期に自主検査を行い、結果を記録しなければならない。施行令 第15条で第二種圧力容器も対象になっています。
- 第120条第1号:第45条第1項に違反した者は、50万円以下の罰金。
- 第122条:法人にも罰金が科される(両罰規定)。
機種を選ぶときの考え方
| 考え方 | 内容 |
|---|---|
| 40L未満で足りるか | 断続作業が中心なら、40L未満のタンクで足りることがある。工具ごとに使える時間は30Lのコンプレッサーでできることで計算できる |
| 40L以上が必要なら | 年1回の定期自主検査の手間と費用を、導入の費用に含めて考える(業務用の選び方) |
| サブタンクを足すなら | 増設したタンクも条件に当たれば対象(サブタンクは必要か) |
| 家庭で使う場合 | この規則は事業者に向けたもの。家庭でも、ドレン抜きや安全弁の確認は取扱説明書に従って行う(ドレン抜きの記事) |
容量30〜40Lクラスの機種
HAIGE HG-1300RB-30 30L
- 釘打ち・インパクトレンチなどの断続作業
- 家庭のコンセントでの使用
- 不向き:連続使用の塗装(スプレーガン)には吐出空気量が不足しやすい
HAIGE HG-DC991AL 36L
- 小型スプレーガンでの塗装
- 釘打ち・インパクトレンチなどの断続作業
- 不向き:住宅地での夜間使用(騒音80dB)
ミナトワークス CP-301AL 30L
- 釘打ち・インパクトレンチなどの断続作業
- 家庭のコンセントでの使用
- 不向き:連続使用の塗装(スプレーガン)には吐出空気量が不足しやすい
業務用(三相200V)の機種
明治機械製作所 GH-15B-6P 160L
- 小型スプレーガンでの塗装
- 作業場での本格的なエアツール運用
- 不向き:200V電源のない家庭での使用
アネスト岩田 TFP15CF-10 65L
- 小型スプレーガンでの塗装
- 作業場での本格的なエアツール運用
- 不向き:200V電源のない家庭での使用
購入した機種の耐用年数・減価償却はエアーコンプレッサーの法定耐用年数と減価償却をご覧ください。
よくある質問
コンプレッサーに法定点検はありますか?
事業所で使うタンクが第二種圧力容器(ゲージ圧力0.2MPa以上で内容積40L以上など)に当たる場合は、1年以内ごとに1回の定期自主検査と、記録の3年間の保存が必要です(ボイラー及び圧力容器安全規則 第88条)。
何Lから第二種圧力容器になりますか?
内容積0.04m³(40L)以上です。40L未満でも、胴の内径200mm以上かつ長さ1,000mm以上のタンクは当たります(労働安全衛生法施行令 第1条第7号)。
定期自主検査では何を調べますか?
本体の損傷、ふたの締付けボルトの摩耗、管と弁の損傷の3項目です。結果を記録して3年間保存します。
コンプレッサーの取扱いに資格は要りますか?
作業主任者を置く義務があるのは第一種圧力容器の取扱いで、エアーコンプレッサーのタンク(第二種圧力容器)は対象に挙がっていません。ただし、定期自主検査は事業者の義務です。
定期自主検査をしないとどうなりますか?
労働安全衛生法 第45条第1項の違反として、50万円以下の罰金の対象です(第120条)。法人にも罰金が科されます(第122条)。
家庭で使うコンプレッサーも対象ですか?
この規則は、労働者を使う事業者に向けたものです。家庭で使う場合も、ドレン抜きや安全弁の確認など、取扱説明書の点検は行ってください。
中古のコンプレッサーを事業所で使うときの注意は?
タンクが第二種圧力容器に当たるなら、使い始めてから1年以内ごとに定期自主検査が必要です。前の持ち主の検査記録があるか、タンクにさびや損傷がないかも確認してください。
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