スプレーガンに合うコンプレッサーは?空気使用量・吹付け圧力から逆算する容量と選び方
このページの結論
- 結論
- スプレーガンは連続使用。タンクより吐出空気量が効き、アネスト岩田は使う空気の量より10%以上多い吐出空気量を勧めている
- 汎用の小形ガン(口径1.3mm・145L/min)なら吐出空気量160L/min以上が目安。低圧(HVLP相当)・大形のガンは200〜330L/minで、1.5〜2.2kWの200V機が前提
- 口径だけでは空気の量は決まらず、低圧ガンは圧力が低くても空気を多く使う。ガンの型番でメーカーの空気使用量を確認する
- 誰のためのページか
- 使うスプレーガンに合うコンプレッサーを選びたい人、今のコンプレッサーで吹いていると弱くなる人
- このページの目的
- スプレーガン(塗装ガン)のメーカー公表値(空気消費量・使用空気圧)から、必要なコンプレッサーの吐出空気量・タンク容量・電源を逆算し、条件に合う機種まで示すこと
- 書き手の立場
- 元エアコンプレッサーの開発・プロデュースに携わっていた運営者が、その専門知見をもとに、特定メーカーに偏らないアフィリエイト型メディアの立場で執筆・監修しています。 運営者情報
- 情報の出どころ
- 価格・評価は楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングの公式APIから取得し自動更新。スペックはメーカー公表値と販売ページの表記をもとに整理。最終更新 2026/11/05
スプレーガン(塗装ガン)に必要なコンプレッサーの目安
| 工具の空気消費量(メーカー公表値) | 85〜330L/min(手持ちの重力式・吸上式・低圧式。アネスト岩田・近畿製作所のカタログ値(測定条件の記載なし)) |
|---|---|
| 工具の使用空気圧 | 吹付け0.1〜0.34MPa(低圧式0.1MPa、汎用0.24〜0.34MPa) |
| 空気の使い方 | 連続(使っている間ずっと空気を使う) |
| 吐出空気量 | 160L/min以上 |
|---|---|
| 電源 | メーカーの示す圧縮機の出力は、小型ガン0.4〜0.75kW(100V機の範囲)、低圧・大形ガン1.5〜2.2kW(200V機) |
工具の数値はメーカーのカタログ値です(出典)。目安は、その数値に当サイトの考え方(本文で説明)を当てたもので、工具の機種・作業の仕方で変わります。お使いの工具の取扱説明書の値を優先してください。
スプレーガン(塗装ガン・エアスプレーガン)に合うコンプレッサーは、ガンの「空気使用量」で選びます。
スプレーガンは引き金を引いている間、ずっと空気を使い続ける連続使用の工具です。そのため、タンクの大きさより、コンプレッサーが1分間に送り出せる空気の量(吐出空気量)のほうが効きます。
このページでは、アネスト岩田と近畿製作所のカタログ値をもとに、次の4点を整理します。
- 重力式・吸上式・低圧式(HVLP相当)ごとの空気使用量
- 吹付けの圧力
- メーカーが示す必要なコンプレッサーの出力
- 100Vで吹けるガンの範囲
塗装用コンプレッサー全般の馬力の選び方や、車の塗装に使う機種の選び方は、それぞれ別の記事で説明しています。このページでは、ガンとコンプレッサーの組み合わせに絞って説明します。
スプレーガンの空気使用量と吹付けの圧力(メーカー公表値)
| メーカー・型番 | 方式・大きさ | 口径 | 空気使用量 | 吹付けの圧力 | メーカーが示す圧縮機の出力 |
|---|---|---|---|---|---|
| 近畿製作所 CREAMY(KP)7S | 吸上式・小型 | 1.0/1.2mm | 85L/min | 0.3MPa | 0.75kW |
| 近畿製作所 CREAMY(KP)5A | 重力式・小型 | 1.0/1.2mm | 85L/min | 0.3MPa | 0.75kW |
| 近畿製作所 CREAMY(KL)63A-13 | 重力式・中型 | 1.3mm | 90L/min | 0.3MPa | 0.75kW |
| アネスト岩田 WIDER1-13K1G | 重力式・小形 | 1.3mm | 145L/min | 0.24MPa | 0.4〜0.75kW |
| アネスト岩田 WIDER1-13K1S | 吸上式・小形 | 1.3mm | 145L/min | 0.24MPa | 0.4〜0.75kW |
| 近畿製作所 CREAMY(KL)63S-15 | 吸上式・中型 | 1.5mm | 150L/min | 0.34MPa | 0.75kW |
| 近畿製作所 CREAMY(KL)63SS-13W | 吸上式(ウレタン・メタリック用) | 1.3mm | 190〜220L/min | 0.27〜0.3MPa | 1.5kW |
| アネスト岩田 WIDER1L-2-12J2G | 重力式・低圧(HVLP相当) | 1.2mm | 200L/min | 0.1MPa | 1.5〜2.2kW |
| アネスト岩田 WIDER1-13H2G | 重力式・小形 | 1.3mm | 225L/min | 0.24MPa | 0.75〜1.5kW |
| 近畿製作所 CREAMY97S-20 | 吸上式・大型 | 2.0mm | 240L/min | 0.34MPa | 1.5kW |
| アネスト岩田 WIDER2-15K2G | 重力式・大形 | 1.5mm | 330L/min | 0.29MPa | 1.5〜2.2kW |
アネスト岩田・近畿製作所とも、空気使用量を何MPaで測ったか、大気圧換算かどうかは、ページに書かれていません。
表から分かることは3つあります。
- 口径だけでは空気の量は決まらない。同じ口径1.3mmでも、90L/minのガンから225L/minのガンまであります。口径は塗料の出る量に関わる数字で、空気の量はガンの大きさや、空気キャップ(霧化の方式)で変わります。
- 低圧(HVLP相当)のガンは、圧力は低いのに空気を多く使う。アネスト岩田の低圧ガン WIDER1L-2 は、吹付けの圧力が0.1MPaと低いのに、空気使用量は200L/minです。必要な圧縮機の出力も1.5〜2.2kWで、同じ口径の汎用ガン(145L/min、0.4〜0.75kW)より大きくなっています。「低圧ガンなら小さいコンプレッサーで済む」ということはありません。
- 小型ガンは、メーカーの示す出力が0.4〜0.75kWの範囲。家庭用の100V機で吹けるのは、このクラスのガンです。
スプレーガン用コンプレッサーの容量の決め方
1. 吐出空気量は、ガンの空気使用量より10%以上多く
アネスト岩田は、コンプレッサーの吐出空気量を、使う空気の量より10%以上余裕を持って選ぶよう勧めています。
口径1.3mmの汎用の小形ガン(145L/min)なら、145 × 1.1 ≒ 160L/minです。そのため当サイトでは、スプレーガン用コンプレッサーの目安を吐出空気量160L/min以上としています。
大形ガンや低圧ガン(200〜330L/min)を使うなら、220〜360L/minが目安です。1.5〜2.2kWの単相・三相200Vの機種を検討してください。
2. カタログの吐出空気量の「圧力の条件」を確認する
アネスト岩田は、コンプレッサーの吐出空気量を、JIS(B8341)で決められた標準の吸い込み状態に換算した値で示しています。
家庭用の機種には、圧力の条件を書かない値や「0MPa時」の値だけを載せているものがあります。実際に塗装する圧力では、カタログの数字より少なくなります。比べるときは、「0.6MPa時」のように圧力が書かれた値を使ってください。
実際に、カタログの吐出空気量は何の条件の数字か、0.8MPaのときはもっと少ないのか、という相談もあります。答えは、圧力が高いほど少なくなる、です。
3. タンクは「塗り始めのゆとり」。連続塗装は吐出空気量で決まる
スプレーガンは吹付けの圧力が0.1〜0.34MPaと低いので、レギュレーター(減圧弁)で圧力を下げて使います。タンクの圧力が吹付けの圧力より高い間は、タンクの空気でガンの不足分を補えます。
例として、次の条件で計算します。
- タンク30L、0.8MPaで止まる
- レギュレーターで安定して吹ける下限を0.35MPaとする
この場合、取り出せる空気は 30 ×(0.8 − 0.35)÷ 0.1013 ≒ 133L(大気圧換算・概算)です。
145L/minのガンを、使う圧力での吐出空気量が100L/minのコンプレッサーで吹く場合、差し引き1分あたり45Lずつ減ります。タンクがもつのは約3分です。そのあとは圧力が下がり、霧化が粗くなったり、パターンが乱れたりします。
実際に、30Lのタンクで吹いていたらだんだん弱くなった、という相談もあります。タンクを50Lに替えれば、吹ける時間は延びます。それでも、ガンの空気使用量より吐出空気量が少ないかぎり、長く吹き続けると同じことが起きます。
小さい面積なら、小さいコンプレッサーでも吹ける
アネスト岩田は、空気使用量90L/minの超小形ガン(LPH-50)に対して、吐出空気量47/56L/min(50/60Hz)・タンク10Lのコンプレッサー(FX3702)を推奨の組み合わせとして載せています。
次のような小さい面積を、吹いては止める使い方なら、ガンの空気使用量を下回るコンプレッサーでも使えます。
- ドア1枚
- バイクのタンク
- 小物
- 陶芸の釉薬
このとき、上の計算のように、タンクの空気でもつ時間の範囲で吹きます。広い面積を一気に吹くほど、吐出空気量の不足がはっきり出ます。
連続運転の時間(使用率)を確認する
家庭用のオイルレス機には、連続で運転できる時間や、休ませる時間(使用率)を取扱説明書で決めている機種があります。スプレーガンのような連続使用の工具では、ガンの空気使用量が吐出空気量に近いほど、コンプレッサーが止まらずに回り続けます。
次のような使い方をするなら、取扱説明書の連続運転の時間を先に確認します。
- 3〜4時間、1日中の塗装
- 外壁のリシンの吹付け
そのうえで、吐出空気量に余裕のある機種(200Vの業務用機、オイル式)を選ぶか、休ませる時間を作業の段取りに組み込みます。
仕上がりを左右する水分・油分の対策
圧縮した空気は冷えると水が出て、タンクやホースにたまります。その水がガンから吹き出すと、塗膜にはじき・ブツ・白化の原因になります。
- ドレン抜き:使い終わったらタンクの水を抜く
- フィルター:ガンの手前に水分を取るフィルター(エアフィルター)を付ける
- エアドライヤー:板金塗装のように仕上がりにこだわる作業や、湿気の多い季節に長時間吹く場合に検討する
- オイル式の機種:空気に油分が混じることがあるため、塗装ではオイルを取るフィルターを使うか、オイルレス機を選ぶ
ホースの長さと内径
ホースが長いほど、細いほど、ガンの入口の圧力は下がります。実際に、20〜30mのホースでカップガンを使えるか、という相談もあります。
長いホースを使うときは、次のようにします。
- ガンの近くに圧力計付きのレギュレーターを置き、ガンの入口で吹付けの圧力を合わせる
- ホースの内径は、ガンの空気使用量に見合う太さにする
スプレーガンの方式とコンプレッサーの関係
- 重力式(カップが上):少ない量の塗料を細かく吹く補修・小物向け。小型ガンなら100V機の範囲。
- 吸上式(カップが下):塗料を多めに入れて広い面を吹く向き。中型以上は空気使用量が増える。
- 圧送式(タンクから送る):ライン・大面積向けの業務用。アネスト岩田の圧送式の低圧ガン(WIDER2L)は470L/min、必要な圧縮機の出力は2.2〜3.7kWで、200Vの業務用機が前提。
- 低圧(HVLP相当):塗着効率がよく、飛び散りが少ない代わりに、空気使用量は多い。
スプレーガン用コンプレッサーの選び方チェックリスト
- ガンの型番で、メーカーの空気使用量・吹付けの圧力・必要な圧縮機の出力を確認した
- コンプレッサーの吐出空気量は、ガンの空気使用量の1.1倍以上(汎用の小形ガンなら160L/min以上)
- 吐出空気量は「何MPa時の値か」を確認した
- 低圧(HVLP相当)・大形のガンなら、1.5kW以上の200V機を前提にした
- 長時間吹くなら、連続運転の時間(使用率)を取扱説明書で確認した
- ドレン抜き・フィルターなど、水分対策を用意した
スプレーガン(塗装ガン)に使えるエアコンプレッサー(条件に合う機種)
合う理由:必要な吐出空気量(160L/min)を満たす/口コミ件数が多い
合う理由:必要な吐出空気量(160L/min)を満たす
合う理由:必要な吐出空気量(160L/min)を満たす
アストロプロダクツ (大型) アストロプロダクツ 2004000009979 AP ハイスピード エ 30L
注意:吐出空気量がやや不足(112/目安160L/min)
塗装・DIY向けの機種をもっと見る ほかの工具と一緒に使うときの計算
スプレーガン(塗装ガン)とコンプレッサーのよくある質問
スプレーガンを使うには、コンプレッサーの容量はどのくらい必要ですか?
ガンの空気使用量より10%以上多い吐出空気量が目安です(アネスト岩田の選定の考え方)。口径1.3mmの汎用の小形ガン(145L/min)なら160L/min以上、低圧・大形のガン(200〜330L/min)なら220〜360L/minです。
30Lのタンクで吹いていると、だんだん弱くなります。50Lに替えれば直りますか?
吹ける時間は延びますが、ガンの空気使用量より吐出空気量が少ないかぎり、長く吹けば同じように弱くなります。145L/minのガンを使う圧力で100L/minの機種で吹くと、30Lのタンクで約3分が目安です。改善するには吐出空気量の大きい機種が必要です。
カタログの吐出空気量は、どの条件の数字ですか?
機種によって違います。0MPa時の値や、条件を書かない値を載せている機種もあります。圧力が高いほど吐出空気量は少なくなるので、「0.6MPa時」のように圧力が書かれた値で比べてください。
口径1.0・1.3・1.5・2.0mmで、必要な空気の量はどう違いますか?
口径は主に塗料の出る量に関わる数字で、空気の量はガンの大きさや空気キャップの方式で変わります。同じ1.3mmでも、近畿製作所の中型ガンは90L/min、アネスト岩田の小形ガンは145〜225L/minです。型番ごとにメーカーの空気使用量を確認してください。
HVLP(低圧)のスプレーガンは、小さいコンプレッサーで使えますか?
低圧ガンは吹付けの圧力が低い代わりに、空気使用量は多めです。アネスト岩田の低圧ガン WIDER1L-2 は0.1MPaで200L/min、必要な圧縮機の出力は1.5〜2.2kWとされています。
スプレーガンの圧力は何MPaに設定すればいいですか?
ガンのメーカーが示す吹付けの圧力に合わせます。汎用ガンは0.24〜0.34MPa、低圧ガンは0.1MPa前後です。ガンの近くに圧力計付きのレギュレーターを置き、ガンの入口で合わせてください。
ドア1枚やバイクのタンクくらいなら、小さいコンプレッサーで塗装できますか?
小さい面積を吹いては止める使い方なら可能です。アネスト岩田も、空気使用量90L/minの超小形ガンに、吐出空気量47/56L/min・タンク10Lのコンプレッサーを推奨の組み合わせとして載せています。広い面積を一気に吹くほど、吐出空気量の不足が出ます。
1日中、または3〜4時間続けて塗装したいです。どう選べばいいですか?
まず、取扱説明書で連続運転の時間(使用率)を確認してください。ガンの空気使用量に対して吐出空気量に余裕のある機種を選ぶと、コンプレッサーが止まる時間ができて負担が減ります。200Vが使えるなら業務用機が確実です。
20〜30mの長いホースで、スプレーガンを使えますか?
使えますが、ホースが長く細いほどガンの入口の圧力が下がります。ガンの近くに圧力計付きのレギュレーターを置いて吹付けの圧力を合わせ、内径に余裕のあるホースを使ってください。
塗装にエアドライヤーは必要ですか?
圧縮空気から出る水は、塗膜のはじきやブツの原因になります。ドレン抜きとガンの手前のフィルターは必ず用意し、板金塗装のように仕上がりが大事な作業や、湿気の多い時期の長時間の塗装ではドライヤーを検討してください。
コンプレッサーなしで使えるスプレーガンとの違いは何ですか?
電動のスプレーガンは、本体のモーターで空気や塗料を送るため、コンプレッサーが要りません。エア式のスプレーガンは、コンプレッサーの圧縮空気で霧化するので、吹付けの圧力や空気の量を細かく調整できます。
数値の出典
工具の空気消費量・使用空気圧は、次のメーカー公式の資料で確認しました(確認日 2026/11/05)。製品の改良で変わることがあるため、購入前に最新のカタログを確認してください。




